とにかく予想外の結末だった。
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11/30

この日はJ1昇格プレーオフ準決勝 ジュビロ磐田vsモンテディオ山形。




今季からJ2に降格した磐田。

開幕前は選手層や過去の経歴を見ても2位どころか、過去の東京やガンバのように優勝し、1年でJ1に復帰してくるだろうと思われていた。

序盤は現監督が言うように'ジュビロ磐田'という名に他のチームが慣れていないこともあり、うまく勝点を積むことができた。

しかし、湘南の躍進もあり、早々に首位の座を明け渡すと、夏場以降は徐々に勝てなくなり、9月にクラブのレジェンドである名波浩を監督に招聘。
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名波浩監督初戦となる愛媛FC戦には勝利。
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しかしその後は先制するもなかなか勝ちきれない試合が続き、ついには松本山雅にも勝点二桁差をつけられて、自動昇格となる2位以内を逃し、最終的に4位でフィニッシュ。(名波監督就任後 2勝5分2敗)

まさかまさかのプレーオフ準決勝からの登場となった。




対するモンテディオ山形は、序盤こそ中位と下位の狭間をさまよっていたが、秋以降は連勝に勝点を伸ばし、最終的に6位に滑り込み、2011シーズン以来のJ1昇格に望みをつないだ。

また、先日行われた天皇杯準決勝でも千葉に3ー2で勝利し、東北勢として81年ぶりに決勝進出を決めた。

山形にとってこの日は、苦労して勝ち取った舞台なのだ。





試合当日

磐田に行くにあたり、いくつか不安があった。

・高速道路の渋滞
・駐車場の確保
・チケットの変更
・さわやかの混み具合




13時キックオフで通常なら約3時間ほどで磐田に着くが、前回のように渋滞がこわいので朝7時に都内を出発。

渋滞予想していた高速道路だが、意外と空いていたのでぶっ飛ばして一路 磐田へ。


10時45分と予想よりも早く着いたので、アウェイ磐田遠征にくるサポーターに人気のファミレス・さわやかに開店前から並んだ。
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定番メニューのげんこつハンバーグを食べて、腹ごしらえ完了。開店だったこともあり、待たずに食べて11時30分にお店を出て、ヤマハスタジアムへ。
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その後、ヤマハスタジアムから徒歩5分の1000円の駐車場に停めることができ、友人が間違えて購入したチケットもチケット売場で変更することができて不安が全て解消してスタジアムに入ることができた。



ヤマハスタジアムの中に入るとこれまで来た2試合(名波監督就任後初試合の愛媛FC戦、3連休に行われたお隣さんであるFC岐阜戦)とはまた違った雰囲気だった。

スタンドにいるおじいちゃんおばあちゃんから子供、若い女の子、家族連れなどバラエティーに富むサポーターなどいつも通りの地方クラブの理想な光景だったが、選手が出てきた瞬間、雰囲気が変わった。
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そうだ、今日は『決戦』なのだ。




また、ピッチと同じ高さで練習が見れるのもヤマハスタジアムのいいところ。
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ゴール裏とバックスタンドの境界線であるこのあたりで気合いが入っているサポーター達の姿に見入っていたら後ろから声をかけられた。

僕のサッカー仲間の一人でブラジルワールドカップで一緒だった作家の中村慎太郎さんだ。
今日は長野で松本山雅の取材からここ磐田に来たらしい。

中村さんは、ワールドカップ前に出したこの本の著者として有名。



スタジアムに来るサポーターの心情が見事に表現されており、Jリーグのチェアマンにも呼ばれて大絶賛されたらしい。

今回は、バックスタンド ホームコーナー寄りの1番前の席で観戦するとのこと。専用スタジアムの1番前、しかもホームのサポーターで埋まった場所で見るということは何か考えがあるに違いない。

彼と話していると、今回の試合もどう書いてくれるのか気になる。出来上がりが楽しみだ。



選手入場時、スタンドはこの入場時に配布された紙でサックスブルー一色になった。
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しかし、他のクラブのように特にメッセージ性のあるものでもなかったので正直、あまり感動できなかった。


試合は、引き分けなら敗退の6位山形が先制するという、第三者からすると面白い展開。


僕のサッカー仲間の中には磐田サポーターが多く、今季6試合も現地で見ているのでどちらかというと磐田に感情移入して見ていた。
だから先制したシーンでは、磐田サポーターの気持ちを考えると胸が痛くなり、山形好きの友人が喜んでいるのを見てイラついた。


そして、前半ロスタイムの山崎の同点ゴールの瞬間は立ち上がってまるでベガルタの試合の時のようにガッツポーズをして喜んだ。

だからもうハーフタイムは、もうウキウキ気分で過ごせた。

今回、皆ブラジルワールドカップに行った仲間と観戦し、「コロンビア戦のハーフタイムの時と同じ気分だね!」などと話し、磐田サポーターに会いにゴール裏に行く足取りも軽かった。





一方で満席で入れないと予想していたアウェイ山形側だが、思っていたよりは少なかった。
しかし、全員ではないとしても遠く山形からよくこんなにたくさんのサポーターがかけつけたと思うとちょっと感動した。
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山形サポーターの応援はハーフタイムも続き、段々声が大きくなっていたように感じた。

それが、後半ロスタイムに起きた磐田サポーターにとっては、事件ともいえるあのGK山岸の決勝ゴールに繋がったのだと思う。



あの瞬間、本当に驚いた。

そして、落ち込んだ。


僕はバックスタンドのどちらかというと山形寄りで見ていたので目の前であのゴールが決まった瞬間を見た。



後半は山形のディエゴが交代し、前線の危険度が下がったこともあり、磐田が優勢。

終盤まで得点は入らなかったが、引き分けのままで終わらせても決勝進出する磐田にとっては、無理に攻めずにそのままでいいという風に感じた。

しかし、後半ロスタイムにあの事件が起きてしまった。




もう後ろの席で喜ぶ友人にイラつく元気もない。

まわりの磐田サポーターを見ると完全に声を失っている。

今季を象徴するような展開でジュビロ磐田の2014年は終わった。
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この日、この試合を見た磐田サポーター以外の人は'すごいもの'を見てしまったという満足感で帰路についたと思う。


たしかにあんなゴールはJリーグ22年の中でも初めてだし、おそらくもう一生見ることができないだろう。

たとえもう一度見れたとしても、それは飛行機事故や難度の高い役満並に低い確率だ。



でもその時は何よりも今季が終わってしまったことが悲しかった。

磐田の試合を見ると、サポーターからよく覇気がないとか、気持ちが感じないなど聞く。

しかし、この日の選手達は今季見た中で1番気合いを感じたし、応援したいって思わせる何かがあった。


残念ながら来年もJ2の舞台で戦うことになったが、名波監督がどのようなチームを作るのか興味がある。

磐田の皆さん、今はゆっくり休んで来年に備えましょう。

1年間、お疲れ様でした。



そして、山形の皆さん、次も天皇杯もミラクル期待しています。




〜遠征費用〜
場所…ヤマハスタジアム
試合…J1昇格プレーオフ ジュビロ磐田vsモンテディオ山形 ※日帰り
高速代と駐車場代…2800円
チケット代…2500円
さわやか…1000円
夕飯…1000円
その他…700円
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8000円