前回、プノンペンFCに新オーナー誕生のニュースを紹介しましたが、今回は現在、カンボジア国内で行なわれている「フンセンカップ」について説明したいと思います。

スバイリエン







これを読んでいる皆さんは、フンセンカップの説明の前にまず、大会名にもなっている「フンセン」とは何かという疑問を持つはず。


フンセンとはカンボジアのフン・セン首相のことで、この大会は彼の名にちなんだ大会のようだ。

日本では、天皇杯や皇后杯、高円宮杯など皇族の名前にちなんだ大会はあるものの、「安倍晋三カップ」など歴代の首相の名前が入ったサッカーの大会はない。しいていうならば、大学サッカーの総理大臣杯あたりが一番近いだろう。




さて、このフン・セン首相について少し紹介したいと思う。

Hun_Sen

フン・セン首相は今でこそ、首相の座についているが、実は元々、大量虐殺をしたあのポル・ポト政権で軍事司令官を務めていた過去を持っている。

1975年に戦闘で左目を失明。1977年に心変わりをして離脱し、ベトナムに亡命。
その後、28歳の若さで外務大臣に就任。世界で最も若い外務大臣となった後はインドシナ和平交渉の重要な役割を果たしていく。

なお、フン・センという名前は父親が中国系だったといわれており、中国語の「雲昇」という言葉からきたものらしい。







そして、フンセンカップは2007年からスタートしたらしい。


<歴代の優勝クラブ>

2007 Khemara
2008 Phnom Penh Empire 
2009 Phnom Penh Crown
2010 National Defense Ministry 
2011 Svay Rieng FC 
2012 Svay Rieng FC 
2013 Nagacorp FC
2014 Police FC 


カンボジア国内での位置づけは、天皇杯とナビスコカップを足して2でわったような大会。



また、この大会は他の国にはあまり見られない独自のルールがある。


それは・・・・




参加できるのはなんと、カンボジア人のみだという。




カンボジアの外国人枠は5人。

自国の選手たちのために開催するのはわかるが、シーズンが始まる直前の1~2月に開催されるのに外国人選手が出れないなんて信じられない。

これではシーズンに向けて本当の練習ができないはずだ。

そのうち、サッカー界が発展していけば、改善されると信じたい。。










だが、現地からの情報によると今年は、結構盛り上がっているらしい。



今年の大会の予選リーグはトンレバテイにあるナショナルトレーニングセンターで行われ、準々決勝以降は全て近郊のスバイリエンにできた新スタジアムで開催されているようだ。
スバイリエンスタジアム
CAMBODIA FOOTBALLより




また、アルビレックス新潟プノンペンのスタッフの青木くんの投稿からもわかる通り、ここでも日系の企業がスポンサーをしているらしい。
aokikun
CAMBODIA FOOTBALLより






本大会のレギュレーションは、16チームが4グループにわかれ、予選リーグを行なう。上位2チームが決勝トーナメント(準々決勝)へ進む。そこからは、僕ら日本人も大好きな負けたら終わりの一発勝負。そりゃあ、盛り上がるわけですね。





スタジアムのメインスタンドは連日ほぼ満員。
フンセン杯スタンド

CAMBODIA FOOTBALLより




特に地元のスバイリエンのサポーターたちはかなり盛り上がっている様子。
スバイリエンファン
CAMBODIA FOOTBALLより








そして、この大会に背水の陣で臨んでいるプノンペンFC。

なんせ、ついこの前までこの大会が最後だった可能性大で昔の横浜フリューゲルスと同じ状況でしたからね!

新オーナーになってくれた株式会社フォワード様には本当に感謝ですね。


そんな状況の中、選手たちはグループリーグを勝ち抜き、準々決勝の相手は、アルビレックス新潟プノンペン。日本人は出れないが、日系クラブ同士のダービーマッチが実現。



※大会の登録規定上、前チームの名前とエンブレムで参加していますが、現在はtriasiaグループとは一切関係ありません。




結果は2-0でプノンペンFCが勝利し、準決勝へ進出。


その準決勝の対戦相手は地元のスバイリエン。
これは準々決勝の様子ですが、ものすごい盛り上がりです。

スバイリエン
CAMBODIA FOOTBALLより


2015フンセンカップ準決勝 2月11日(土)  スバイリエンスタジアム

ナーガワールドFC vs ナショナル ポリス
FCスバイリエン FC vs (トライアジア)プノンペンFC





なお、この試合でプノンペンFCは、観戦バスツアーを開催する予定だ。
観戦バスツアー
CAMBODIA FOOTBALLより

これまでアウェイ戦という概念がなかったカンボジアで観戦バスツアーは、おそらく初の試みであろう。そして、日本から素晴らしいゲストが来るかもしれない。

詳細はこちら【2015年2月11日】プノンペンFC応援日帰りバスツアー!!





ひとまず、吉田くんがオーナーとして最初で最後の大会になるが、ぜひ、タイトル獲得してほしいですね。

現地の皆さん、バックパッカーや旅行者の皆さん、行ける方はぜひぜひ参加してください(´∀`*)





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