先週末は、長野県へFootrip。

image


今回はワールドカップ後初めて、いつものサッカー仲間との旅だったこともあり、数日前から本当に楽しみだった。


今回の目的ももちろんサッカー観戦。

・土曜日:J1松本山雅FC対ベガルタ仙台
・日曜日:J3長野パルセイロ対レノファ山口

長野を代表する偉大な2クラブの試合観戦だ。




信州の山々に囲まれた松本山雅のホーム・アルウィンを訪れるのは、2013年のJ2リーグ最終戦以来、1年半ぶりになる。
2013松本山雅

ゴール裏もメインもバックスタンドも一体感になって応援する雰囲気はもちろんのこと、アウェイサポーターをおもてなしするあのホスピタリティにとても好感を持ったと記憶している。 ※前回の観戦の様子はこちら

あの時感じた素晴らしい雰囲気は、その後どのように成長しているのだろうか気になるところである。





一方、今季の仙台の試合は既に湘南戦、マリノス戦と2試合スタジアムで観戦した。

しかし正直、僕の中で仙台への気持ちがあまり盛り上がれずにいる。

勝ち負けや試合内容云々が理由ではない。

レベルやカテゴリーも関係ない。

求めているのはただひとつ

2年前のACLアウェイで感じたあの「どアウェイ感」を味わいたいのだ。


特に中国・南京での江蘇舜天戦では、僕らが乗ったサポーターバスは厳戒警備の中、公安に先導されながらスタジアム入りし、試合中は目をレーザービームで狙われ怒り、帰り道は何が起きるかわからない恐怖に怯えながらホテルに帰ったのを今でも覚えている。
こうそしゅんてん


「死ぬか生きるかの戦い」というとちょっと大げさな気もするが、日本で試合観戦するよりは確実に死に近かった。

平和な日本に住んでいる私たちにとって「死に近い経験」というのは普段なかなか経験できない。

それが海外に行くとより死を身近に感じるので、より記憶に残り、それが一種の麻薬のようなものになって結果、何度も海外に行くようになる。

そして、人間は一度そのような経験をしてしまうと、それ以上のものを求めてしまうのである。




しかし残念ながら日本国内でそれを感じる事ができる場所はまずないだろう。

国内の主要スタジアムのほとんどはもう既に訪れたことがあるので、どこがどのような雰囲気かというのはだいたい想像がついてしまう。よって、新たな感動もほぼない。


だが、その中でもアルウィンは、他のそれとはちょった違った独特の雰囲気があり、いつかの日かアウェイのサポーターとして行ってみたいとひそかに思っていた。



そして今回、松本山雅がJ1に昇格したことで仙台サポーターとして敵地アルウィンへ乗り込むことが実現した。





image

アウェイ・仙台側のチケットは、前売りで即完売。数日前に再販売したらしい。

僕らは試合開始1時間前に到着したが、もう既にたくさんの黄色い集団が陣取っており、席を探すのに苦労した。

幸いにも、心優しいサポが席を譲ってくれたおかげで僕ら3人分の席を確保することができた。





荷物を置いてスタジアムグルメコーナーへ


松本といえば、応援がすごいというイメージがあるが、地元の名産品を使った種類豊富なスタグルも魅力のひとつ。
この日も山賊焼きをはじめとする肉料理がたくさん出店していた。
image 


また、山雅ビールをはじめ、クラブカラーでもある緑色のスタグルが多いのもアルウィンの特徴のひとつ。

こちらは抹茶クリームが入っているどら焼き。
image

抹茶味のおいなりさん。こんなの初めてみたので一瞬買おうかと思ったが、よく考えてみたら元々おいなりさんは好きではない。なのでパス。
image
image


こちらは安曇野産の山葵が入った豚まん。醤油とかつけたら合いそう。
image


緑色好きの僕としては、どれもテンションが上がる食べ物ばかりで見ているだけで楽しかった。




また、女性に大人気だったのがこのフルーツジュース屋さん。特にグレープフルーツの中身をくり抜き、そこにジュースを入れたものが珍しく、アウェイ側でも話題になっていたぽい。
image




アルウィンのスタグルは食べたいものがたくさんあり過ぎて迷ったが、結局、最後は値段重視でどら焼き、豚まん、そして、最後にこちらの「駅そばイイダヤ軒」さんでそばを購入。

幼少期を高度経済成長時代を経験し、安くてボリュームがあるものに目がないツンさん(好きな食べ物:歌舞伎揚げ、蒸しパン)は、このお店を見つけるやいなや、即購入し、写真を撮っていた。また、店員さんもツンさんと写真撮り、ツイートしていたぽい。
image

山菜そばは、このボリュームでなんと450円!味も普通の駅そばらしい味で美味しかった。image


<今回のスタグル>
豚まん300円
抹茶どら焼き200円
山菜そば450円
-------------------------
合計950円


安いものを少しずつ買うというのがいかにも僕らしい買い方。

だが、安曇野産山葵、抹茶、蕎麦とご当地グルメを合計1000円以内で満喫できたので大満足!

(山賊焼きと山雅ビールは前回経験済だったので今回は選択外)


※アルウィンのスタグルをより知りたい方は→松本山雅FC公式サイト






また、アルウィンの横には松本空港があり、運が良ければ、飛行機の離発着を見ることができる。

飛行機の登場を期待しつつ、すぐ横のサブグラウンド前でみんなでまったりスタグルを食べていたらあっという間にキックオフ時間になってしまった。

小走りでスタンドに戻ると既にスタンドで山雅サポがタオマフを掲げて、スタジアムは緑一色になっていた。
image
image
image

ホームゴール裏がコールをすると、メインやバックからも手拍子が発生。


本当にすごいの一言。




だが、思っていたよりも「どアウェイ感」は感じられない。

よく、アウェイチームの選手やサポーターに対して、威圧感や敵対心を全面に出してお出迎えするチームが多いのがサッカーだが、山雅の場合はちょっと違った。

山雅のサポーターは相手は関係なく、皆それぞれが思いの応援をして、試合自体を楽しんでいるように見えた。



アウェイ側にいた僕は、なんともいえないこの雰囲気に戸惑い、慣れるまでに少し時間がかかった。

スタンドの高さもそこそこあり、ピッチまでの距離も近く、試合自体は非常に見やすい。

だが、前半の試合内容は特にチャンスやピンチがあるわけでもなく、どっちつかずでつまらなかった。

山雅サポが繰り出す昭和っぽいメロディーや直射する日射しのせいもあり、なかなか気持ちが戦闘モードにならない。

しまいにはお酒を飲んでいないのに頭がふわふわし、朦朧としてきた。




しかし、後半はじめに先制点を奪われた瞬間、目が覚めた。


これまで山雅の応援すごいなぁとか思って関心していたが、そんなのはもうどうでもいい。

一気に目が覚めた。



先制されているのでなかなか勝負のスイッチが入らず、チャンスを作れない仙台。


本当にイライラした。

早く同点に追いついてほしい。



この日、僕の隣で観戦していたのは僕と同じ宮城出身の仙台サポの友人。

彼は東北人によくあるのんびりした雰囲気の持ち主。

しかし、そんな彼でも時間が経つにつれて、声を荒らげ、いらいらしている。

彼だけではない。

まわりの仙台サポも同様にかなり怒っていた。




今季の仙台は、主力が移籍し、前評判はかなり低かったが、開幕戦の山形とのみちのくダービーを制すると、5戦無敗と好調をキープし、一時は2位だった。

しかし、前節、ホームで川崎に敗れると、水曜のナビスコカップ清水戦でも敗れて公式戦連敗。

仙台は「夏場に弱い」というなんとも必要ない伝統を持ち合わせているチーム。

夏前のこの時期にずるずる負け始めると残留は厳しくなる。


なのでもう負けは許されない。

サポーターが求めるのは勝利のみ。

特にこの日対戦した松本山雅は、この先残留争いのライバルになる可能性が高く、絶対に負けられない。



だからこそ、仙台サポの誰もが、こんなはずではないと思っていたに違いない。



しかし、チャンスらしいチャンスもなく、タイムアップ。

松本山雅にJ1で記念すべきホーム初勝利をプレゼントすることになった。





試合後、挨拶に来た仙台の選手たちには、サポーターから容赦ないブーイングが浴びせられていた。

僕はブーイングはあまり好きではないが、この内容を見たらブーイングしたくなる気持ちもわかる。

だが、次に向けて切り替えて頑張れと選手に向けて言い、落ち込んでいる自分の心にもそう無理矢理言い聞かせ、早々にスタジアムを後にした。



その後、山雅側で見ていたツンさん達と合流したが、特に行く場所は決まってなかったのでとりあえず松本城へ。


image

久しぶりに見た松本城は美しかった。

しかし、この時の僕にはこの美しさを楽しむ余裕はなく、脱力感を身にまといながら城のまわりをゾンビのようにただただ歩いていた。

途中、山雅サポーターにすれ違いざまに「記念すべきホーム初勝利をありがとうございます!」と声をかけられても返せるのは精一杯作った偽物の笑顔のみ。


ここでは僕らと同じように試合後、ここにやって来た黄色いユニフォームを着た人たちの姿をちらほら見かけたが、彼らもきっと同じような表情をしていた。




その後、蕎麦屋さんに行きたかったので検索したら 『もとき 開智店』というお店がヒットしたので行ってみることに。
image

店内には王貞治さんはじめ、過去に訪れたたくさんの有名人のサインや写真が飾ってあった。

【過去に訪れたことのある有名人】
前村上帝国ホテル料理長、サントリー佐治敬治会長、大昭和製紙斉藤会長、西武の堤会長、橋本前総理、明石前国連大使、作家の宮尾登美子さん、内田康夫氏、五木寛之氏、井出孫六氏、永六輔氏、小沢昭一氏、みのもんた氏、徳光和夫氏、緒方拳氏、瀬古選手、峰竜太氏、小朝氏、おすぎさんとピーコさん、宮本信子さん、アグネスチャンさん、さだまさし氏、松山千春氏、八代亜紀さん、島倉千代子さん、篠田監督、松たか子さん、渡辺美佐子さん、有馬稲子さん、岡田まりこさん、樹木希林さん、薬師丸ひろ子さん、真田広之氏、内田有紀さん、平幹二郎氏、役所幸司氏、中村嘉津雄氏、杉田かおるさん、大竹しのぶさん、ルー大柴氏、染の介氏、染太郎氏、千夜氏、一夜氏、西村晃氏、荻昌弘氏、水野晴朗氏、笹野隆志氏、長山藍子さん、樫山ふみえさん、加藤晴彦氏、丹波義男氏、ヤクルト宮本選手、八千草薫さん、吉村教授、登山家今井通子さん、竹脇無我氏、鈴木登喜子料理研究家、原田九段、田中寅彦九段、小澤征次氏、桃井かおりさん、小室等氏、最近いらした方は、高円宮妃久子様、松任谷由美さん、広末涼子さん、岩崎宏美さん、王貞治氏、由紀さおりさん、槙原敬之氏、角野卓造氏、秋元梢さん(モデル)



適当に検索してきたが、どうやらここは有名店らしい。

非常にラッキーだ。 

 

メニューはお蕎麦が中心だったが、セットメニューも2種類あったので注文。 
image

麺は透き通っており、非常に柔らかくて美味しい。
image

僕が頼んだBセットに付いていた山葵丼は涙が出てくるほどものすごく辛かったが、美味しかった。
image
体を張って地元の名産品を食した。

※このお店の詳細は→もとき公式サイトで知ることができます



ちなみにここでも仙台サポーターと遭遇。

今回は会話が生まれ、僕らの話題はもちろんこの日の試合について。

アウェイ遠征では、サポ同士が訪れる場所が被るのはよくあること。


彼らと出会い、話したおかげで心がだいぶ軽くなった。

そして、なんだかんだでベガルタ仙台が好きなんだなと実感。



CLなど世界中のどんなビッグマッチよりも、小さい頃から見ている地元のクラブの試合が一番熱くなれる。

そんな存在のクラブがあるのは、本当に幸せなことだと思う。

この日はそれを再確認できたので良しとしよう。




長野編へ続く。