Footrip in長野

2日目は、長野パルセイロvsレノファ山口を見に新しく出来た南長野運動公園総合球技場へ。

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土曜日

松本で試合を観戦後、長野県を縦断。

この日の宿泊地は、松本市と長野市の間にある上田市。


上田市の宿には、夜遅くに到着。

温泉に入り、みんな即寝。

翌朝も早かったので特に観光はしなかったが、ランニングがてら一人で町を散策することにした。



僕は知らない町を走るのが好きで、よく旅先で走る。


2度バルセロナのサクラダファミリアに行ったが中に入ったことはないし、パリのエッフェル塔にも登ったことはない。第二の故郷でもあるバンコクのエメラルド寺院にさえも行ったことがない。

元々、観光名所にはあまり興味がないのだ。

観光名所よりもむしろ、地元の人しか行かないような市場やスーパーマーケットのほうが、その土地で暮らす人々の生活や人間模様を見ることができるので好きだ。

だからこそ新しい町に着いたらまず、その町の雰囲気を知るために走ってみる。


この日走ったのは宿から上田城までの往復6kmほどの距離。

時刻は既に午後9時を過ぎていたため、宿の周辺は真っ暗だったが、町の中心部であろう商店街に近づくに連れてぽつぽつと灯りが増えていったので、自然と恐怖は感じなかった。

商店街に入ると地元の英雄・真田幸村を全面にアピールする飾り付けが目に入った来たが、お店は既にシャッターが閉まっており、なんだか寂しい。


そんな商店街からちょっと脇道にそれて、地図を確認せずに適当に走ってみる。

ランニングに限らずに何でも、道のりを外れた瞬間が1番ドキドキわくわくする。

すると、一軒明かりがついている古い建物を発見。


この時間に開いているのはせいぜいスナックや飲み屋くらい。

だが、それらとは明らかに違う色の灯りだ。

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おそるおそる近づいてみると、どうやら本屋のようだ。


バレないようにそっと店内を覗いてみる。


建物の古さからして「上田市に纏わる歴史的書物を扱ってそうな古本屋さん」を想像していた。


が、ガラスの向こうにあったのは、なんとも言えない不思議な空間だった。



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一瞬、北欧の小さな田舎町に来たかのような錯覚に陥った。

日本の地方都市にこんな素敵な場所があるなんて想像もしていなかった。




それにしてもなんだこの不思議な感覚は。

胸はどんどん高ぶっていく反面、心はどんどん落ち着き、優しい気持ちになっていく。


うまく説明できないが、
映画「耳をすませば」で主人公の月島雫が、猫を追っかけてたら誠司くんのおじいちゃんのお店「地球堂」を発見した時は、きっとこんな気持ちだったのだろう。

僕はしばらくの間、その場に立ち尽くしていた。


その後、再び走り出したが、あのふわふわした不思議な感覚はしばらく消えなかった。





その後、宿に戻り温泉に入った後、インターネットであのお店を調べてみると、
なかなか検索に引っかからない。

Google Mapで調べてみると、なんとあの場所に建物は存在しないという。

そんなはずはない、作りからして何十年も前からあるような古い建物だったはずだ。


・・・・



なんだこの世にも奇妙な物語に出てきそうな展開は。


実はあのお店は、僕にしか見えていなかったというのだろうか?


あの不思議な感覚というのはそういうことだったのか。


背筋がぞっとした。








という展開を期待していたのだが、実際はお店の名前を検索したらすぐにヒットした。

あの建物は「NABO」というカフェを併設した本屋だった模様。

絵本の読み聞かせや美味しい朝食もあるみたい。

いつかまた上田市に行ったら今度は勇気を出して入ってみようと思う。


「BOOKS&CAFE NABO」

営業時間:10:00 〜 22:00
定休日:火曜日
所在地:長野県上田市中央2-14-31

NOBO (Facebook)






ちなみに余談だが、上田市にもフットボールクラブがあるので紹介する。

「上田ジェンシャン」
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J1をトップリーグとすると、実質5部の北信越リーグに所属。昨年度は4位。
現在松本山雅FCの10番・塩沢勝吾選手が浪人時代にプレーしたクラブとして有名。
詳細はこちら→上田ジェンシャン公式サイト

いつか観に行ってみたい。








翌朝、午前中は善光寺へ。

ちょうど7年に一度の御開帳ということで、ものすごい人でごった返していた。
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並ぶのが嫌なのでさっと見て、さっと観光
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なんでも、これに触ると健康になるらしい。しかし、これにも長蛇の列ができていたので遠くから眺めるだけで終了。
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1時間と短時間だったが、ウィキペディアと途中に寄ったコンビニでむらった無料のパンフレッドを駆使して観光し、満足。



再び、車に乗り込み、スタジアムへ。



善光寺からは、長野市内が渋滞していたものの、45分ほどで到着。


1998年に行われた長野冬季オリンピックのメイン会場のすぐ横に作られた「南長野運動公園総合球技場」。日本で一番新しいサッカー専用スタジアムである。
※現在は、ネーミングライツがまだ決まってないようなのでこんなに長たらしい名前のようだ。
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はっきりいって、めっちゃくちゃきれいでした!


ピッチとスタンドの距離は近いし、スタンド全部に屋根があるため、ユアスタのようにサポーターの応援がこだまする。

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しかし、スタグルはというと、地元の特産品ぽいのもちらほらあったが、店舗数はそんなに多くはなく、すぐに売り切れになっていた。あと、バックスタンドのスタグル見に行きたかったが、バックスタンドのチケットがないと入れないらしく、ちょっと残念。
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また、こんなキャラクターもいました。おそらく、ご当地系の方なのでしょう。
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こちらはオフィシャルショップ。
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パルセイロのクラブカラーであるオレンジのグッズがたくさん。
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中でも気になったのはこの勝ちそば。ちゃんと新スタジアムが入っているのでお土産におすすめ。
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このオフィシャルショップ内でひときわ目立っていたのが壁に貼ってあったこの巨大なエンブレム。
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よく見てみると、なんとパルセイロに関わっている人たちの写真を集めて作ったようだ。こういうのを見ると、サポでもないのになんか嬉しくなってきますね。
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この日の観客数は5000人オーバー。J3でこの人数は異例中の異例。
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そして僕らがこの試合を観に行ったのは、新スタジアムを見る他にもうひとつ目的があった。

それは、今季からマリノスからレノファ山口に期限付き移籍した松本翔選手の応援。


試合前、応援用にみんなで即席ゲーフラを作成。
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スタートはベンチだったが、後半18分から途中出場。
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実際にプレーを見たのはユース時代以来。
僕らの目の前で躍動する姿を見ることができて本当に嬉しかった。
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やはり知り合いの選手が出ていると、試合が何倍も面白くなる。

久しぶりのこの感覚を思い出した。




試合は残念ながら1-2で長野の勝利。

サポーターに挨拶に来た山口の選手たち。
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この後、松本翔選手、わざわざ僕らのところまで挨拶しに来てくれて、みんなも本当に喜んでいた。



現在、好調の山口だが、今後どうなるかわからないのがサッカー。

今年からJに加入した新しいチームの中でJ1,J2と上のカテゴリーを経験してきた彼の力は必要。

僕らはこれからもずっと応援しているので頑張ってほしい!と心からそう思った。





また、この日は驚いたことがもうひとつあった。

選手たちの挨拶の後、クラブの社長とスポンサー企業の社長さんが出てきて、トラメガを借りてサポーターに挨拶。
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こんな素晴らしい光景、初めて見た。


この日は敗れてしまったレノファ山口だが、選手のサッカーも繋ぐサッカーで見ていて本当に面白く、サポーターも熱く優しくて、一致団結している、応援したくなるようなクラブだった。

この日初めて試合を見て、快進撃を続けているその理由がわかった気がした。



近いうちに山口のホームで試合を見てみたい。




その後、早々にスタジアムを後にしこの試合のために愛媛からやってきた薬師寺くんを駅で見送って、僕らも帰京。友人である松本選手のために、はるばる愛媛から弾丸で来た彼の優しさにちょっと感動した。
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地方のクラブを見に行くとその土地土地の色があって本当に楽しい。

やっぱりフットボールは最高だ。

そう感じた2日間だった。