7/27、U-16 ASEAN選手権がプノンペンで開幕した。

そして、昨日はホスト国であるU-16カンボジア代表の初戦だった。

11695920_668338966634602_4624185063235816738_n









 



まず、U-16ASEAN選手権とは、東南アジアサッカー連盟(AFF)に加盟するサッカー協会の16歳以下のナショナルチームの大会で2002年から毎年行われている。

参加国数やレギュレーションは毎年変わるが、基本的には2グループによるグループリーグ→各組上位2チームによる準決勝→決勝という形式。

また、過去に日本、中国、バーレーン、バングラデシュなど東南アジア以外の国もゲストのような形で参加している南米のコパ・アメリカのような大会だ。

そして今回、ホスト国であるU-16カンボジア代表だが、過去に一度もグループリーグを突破したたことがない。

<過去の大会結果>
無題
※参照:Wikipedia




<今大会のグループ分けと試合スケジュール>

【グループ
A
マレーシア
ベトナム 
タイ
ラオス
東ティモール
ブルネイ
 
【グループB】
オーストラリア
シンガポール
ミャンマー
カンボジア
フィリピン

image

U-16カンボジア代表の監督は元ベガルタ仙台アカデミーコーチの壱岐友輔氏。僕と同郷なので是非頑張ってもらいたい。
11667337_414262312115126_4988796864254927464_n





カンボジア代表の初戦はU-16フィリピン代表。

スタジアムには大会を知らせるこの告知段幕。
余談だが、普段、プノンペンの街中では代表戦やリーフなどサッカーに関する広告や告知看板などほとんど見かけない。

無料だと思いスタンドに入ろうとしたが警備員に呼び止められ、外でチケットを買うことに。

チケット販売はこのオレンジのビブスの兄ちゃんが1人で販売していた。※ダフ屋ではない

チケットはこちら。 メインスタンド10000リエル(約300円)  その他のゴール裏、バックスタンドは5000リエル(約150円)。カンボジアのスタジアムには座席指定などなく、全席ゾーン指定である。


早速、メインスタンドに入ってみると、8割方埋まっていた。

他にはバックスタンドの中央部分に人が集中しており、全部でだいたい1万人といったところか。先日のA代表の試合では超満員の6万人も入っていたのでなんか少し寂しい。(贅沢)


だが、よく考えてみたら日本で16歳以下の代表の試合で1万人も入ることなんてあるだろうか。

それくらい今のカンボジアではサッカーが大流行、大人気なのである。




そして、カンボジアンタイガーFCのマスコットであるソンハーくんが「どうしても見てみたい!U-16カンボジア代表を応援したい!」と言ってきた。

当初、人間以外の動物がスタンドに入れるか不明だった僕らは追い返されないか不安だった。

しかし、彼の熱意に負けて連れて行くことにした。

(その後、スタジアムには難なく入場できた)


はしゃいで応援するソンハーくん。


虎見知りしない性格もあってか、すぐに観客の心をつかみ、一緒に代表チームを応援した。


こちらはカンボジアA代表のスター選手であるワタナカ選手(ボンケット所属)。他の観客にまぎれて普通に1人でスタンドに座っており、しかしなぜか自分のカンボジアA代表の11番のユニフォームを着てるではないか! 

日本でいうと、香川真司選手や本田圭佑選手が普通に1人でスタンドに座っているような感覚。

彼を見つけた何人かのファンは写真をお願いしていたが、それも数人レベルだった。
(ちなみにソンハーくんはこの日何百枚も写真をお願いされていた。笑)




なお、試合は1-0でU-16カンボジア代表が勝利!
11214090_668125083322657_7122278135984303205_n



また、先日のスバイリエン戦に続き、現地テレビで放送された得点シーン映像になんと、ソンハーくんが出てきました!
その様子→こちら

チームよりも先に東南アジアデビューです!笑



試合はこちら(90分間フルです)







そして、この日、スタジアムにいた僕をはじめとする観客は1人の小さな選手の虜になった。

11695920_668338966634602_4624185063235816738_n

カンボジア人が「スモールボーイ」と呼ぶその選手の名は「オントッチ」

カンボジアの選手は対戦したフィリピンの選手たちに比べてもかなり小さかったが、彼はその中でもさらに小さい。(身長はおそらくまだ130cm台ではないだろうか)

それもそのはず、なんと、まだ13歳なのである。

タイとの国境付近の田舎で生まれ、若干13歳ながら年上のU-16代表の中心選手である。



U-16カンボジア代表チームは、壱岐監督の指導のおかげでどの選手も体格差を補うくらい技術がしっかりしており、この日スタジアムにいた観客たちは彼らのパスサッカーに大興奮だった。

彼はチームでボランチを任されているが、そのボールさばきとドリブルは他の選手と比較にならない程レベルが高い。

その姿は、まるで元バルセロナのカンテラでプレーしていた久保建英くん(現FC東京U-15むさし所属)のようだ。

試合後にお会いした壱岐監督も彼がいるといないとでは、試合内容も結果も全く違うと言っていた。





そのU-16カンボジア代表だが、次は明日、強豪・U-16オーストラリア代表と対戦する。

どう考えても確実にレベルは向こうのほうが上だが、オントッチを中心としたU-16カンボジア代表の攻撃陣に期待するとしよう。 


ひたむきに、そして楽しそうにプレーしている彼らの姿を見ていたらカンボジアンサッカーの未来はきっと明るくなるだろうと感じた。

彼らは、カンボジア国民の希望なのだ。