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この日も大雨の中での試合だった。

メトフォンカンボジアリーグは第10節を迎えた。

ここまで4勝2分3敗で4位のカンボジアンタイガーFCは、アウェイで今季から1部リーグに上がってきたCMACユナイデッドFCと対戦した。

 




<CMACユナイデッドFC>
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元々は、地雷撤去の団体で昨年は2部所属だった。
1部所属だったアルビレックス新潟プノンペンとの入れ替え戦で敗れたが、アルビが撤退したため、4月に急遽1部リーグへの参戦が決まった。
28人中外国人選手はアメリカ、イスラエル、ナイジェリア、フランス国籍の4名が所属。
中でもアメリカ人のトニー・ヤンセンは現在得点ランク6位の8得点しており、要注意だ。




CMACはホームスタジアムを持っていないため、試合会場は先日のナーガ戦に引き続き、またしてもBatiことナショナルトレーニングセンター。

午前11時半にプノンペンを出発。前回の試合からペナントができたのでバスに飾ってもらった。
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1時間後、Bati到着。

相変わらず、ハエが多く、建物の外に出ると日射しが皮膚に突き刺さるような暑さだ。



少しすると、CMACの選手バスも到着。バスというか、もうただのバンだった。もうロゴが色あせている。
何人かの選手は自力でバイクで来ていた。
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前回のBatiでは、試合開始前にこの写真のような嵐だったが、この日は快晴でひと安心。
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練習前、先日加入したトレーナーのの新田さんが大活躍。


日本で学んだ彼の知識と経験は、カンボジア人選手たちにとって、とても新鮮だったようで、選手が彼にアドバイスを求める光景が多く見ることができた。


こちらは、試合前のミーティング。
ボードを使って木原選手兼監督が入念に説明している。


と、その時だった。

真剣な話をしている途中で突然、審判団が入ってきて、ユニフォームチェックをするというのだ。




空気を読むことが当たり前の日本では、ありえないような出来事。

魔が差した格好となったが、木原監督はいつものことだと言い、審判団が出て行った後にすぐに切り替えて話を再開した。


たとえ途中に外から地元の子供達が見ていても気にしない。



カンボジアにいると、毎日ありえないことに遭遇する。

日本で培ってきた知識や常識ほとんど通用しない。

そんな環境の中で結果を出す続けることは並大抵の努力ではないはずだ。


木原監督はいう。

「今日は開幕から守備の要だった友廣がケガで出場できない。そして試合に出られない選手もいる。今日これから出場する選手は、友廣をはじめ、他の選手達のためにも100%の力を出し切り、責任を持って必ず勝点3を取ろう」


チームの勝利のために自身の持つ全てを注ぎ、選手たちに熱く語りかける監督の姿を見て、僕は今日も胸が熱くなった。

さぁ、勝ちにいこう。






選手入場時

スタメンの選手たちがスタッフ、控えの選手全員と握手し、気持ちを確かめ合う。

この日のキャプテンは吉田ヤス選手兼GKコーチが務めた。

普段、おちゃめなことをいって僕らを楽しませてくれるヤスさんだが、彼の表情から絶対に勝つという気持ちが伝わってきた。


本日のスタメンはこちら


GK33番 吉田ヤス(頼れる守護神)

DF  4番 ター(フィジカルモンスター)
DF 15番  メイサー(タイガーFCの最後の砦)
DF 27番 セイハー(SBだが、本来はただのテクニシャン)
DF 32番 ゴー(カンボジアの長友)

MF 13番 ウドン(奥さんが美人で毎回帯同する)
MF 11番  ティー(海外でのプレー経験もあるチーム最年長35歳おっさん)
MF   8番 ペヤヤング(焼きそばじゃないよ)
MF   7番  スメイ(カンボジア代表イケメン)
MF 10番  ヴィラック(頼りになるNo.10)

FW  9番 プライバット(ムードメーカーで陽気なカメルーン人)







注目選手は、背番号32番・ゴー選手。

先日ソンハーくんがつぶやいていたように見た目がなんと、日本代表のあの長友選手にそっくり!笑
ポジションもプレースタイルも同じなので今日もサイドからのオーバーラップを期待するとしよう。
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だが、足をつってしまい、途中交代。

長友選手への道はまだまだ遠いようだ。





そして試合だが、前半18分、DF陣の裏を突かれ、まさかの先制点を献上してしまう。

だが、タイガーFCも黙っていない。

前半24分にセイハ―のクロスボールを相手DF3人がお見合いをし、まさかのオウンゴール。この時、この競り合いの中にタイガーの選手は1人もいなかった。いかにもカンボジアらしいオウンゴールだった。
見ていた僕らも最初、何が起きたのかわからなかった。笑

 
さらに前半終了間際、幸運の女神はまたしてもタイガーFCに微笑んだ。

PAエリア付近からペアヤングの放ったミドルシュートが相手GKの目の前でイレギュラーバウンドし、ボールに反応していたGKの上を越えてゴール。

またしてもピッチコンディションの悪いカンボジアらしいゴールで前半のうちに逆転することに成功。


前半終了
CMAC1-2タイガーFC



ハーフタイム

何やら、怪しい雲が僕達のもとに近づいてきているのがわかった。 
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案の定、雲がグラウンドを覆った瞬間。大粒の雨がふりだした。

もうピッチのコンディションは最悪。

向かい風に乗った雨が容赦なくタイガーFCの選手の前に立ちはだかり、選手たちはこの横雨で視界を遮られてほとんど前が見えなかったらしい。




そして、後半途中、木原選手兼監督と、吉原選手の元アビスパコンビを投入。 



そして後半41分、木原選手兼監督が右サイドでボールを持ち、巧みなドリブルから中央へクロスを入れる。そのボールがなんと、ポストー、、そして相手選手に当たり、そのままゴール。

この劣悪な環境の中でタイガーFCのDF陣は、耐えに耐え抜き続けていたので、この得点は本当に貴重な追加点だった。

試合はそのまま終了し、1-3でタイガーFCが勝利。


雨は試合後、弱まったが、グラウンド周辺はもう水浸しだった。


まるで湖のようなみずたまりで怒りをぶつけるCMACの選手たち。両チームの選手にとってこの試合は本当に難しかったに違いない




タイガーFCはこれで3連勝。

暫定だが、順位も3位まで上がってきました!



次は8月5日

相手は同じスタジアムをホームとしているウエスタンFCとのダービーマッチ。

さらに8日、今度はタイガーFCのホームゲームとして再び、ウエスタンFCと顔を合わせる予定である。


このご近所との2連戦を連勝し、12日、15日とカンボジアのビッグ2(ボンケットとクラウン)との対戦を迎えたい。


引き続き、連戦で厳しい戦いが続きますが応援よろしくお願いします!



<カンボジアンタイガーFC情報>

【リーグ開幕前】


【メトフォンカンボジアリーグ2015詳細】





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