8月12日

この日は、カンボジアリーグ第13節ボンケットアンコールFC戦だった。


現在リーグ3位の僕らカンボジアンタイガーFCにとって、この試合は今後リーグで優勝するための需要な決戦だった。なので、試合の告知ポスターのデザインも特別仕様に変更することにした。
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試合のイベント告知もこれを見たスタジアムに来てほしくなるような形に変更。時間の関係上、クメール語にできなかったことが課題なので次回のホームゲーム戦にはクメール語にするようにしたい。
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試合当日の午前中、スタジアムで音響設備の確認と、ハーフタイムに踊るダンスの練習をした。

今節は平日なので、前回の試合で踊ったタイガーガール達が不在のため、全員必死になって猛練習。
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ちなみに現在のカンボジアリーグでは、対戦相手によって観客数がだいぶ左右されることが多い。

今回は平日だが、代表のスター選手であるFWワタナカはじめ現在、首位の強豪をホームに迎えるにあたり、僕らは多くの観客が来場してくれるのではと予想していた。


だが、試合開始3時間前

毎度のことながらスコール(豪雨)が発生。


カンボジア人は、日本人よりもはるかに雨に左右される国民性である。

よって、観客数に影響が出てくるのではと不安になった。


幸い、雨は30分ほどで止んだので設営をしに急いでスタジアムへ向かった。 








スタジアムへ着いて、ビグジャージ、出場予定選手の顔写真などを設置。今回はクラブ公式アンバサダーのあさみちゃんが日本から来たので彼女の写真も掲載した。
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そのあさみちゃんといえば、僕と同じベガルタ仙台サポーターで2013年のACLタイ・ブリーラム遠征で大人気だったが、この日は試合前にうちわ配りを率先してしてくれてたところ、観客から次々と写真を求められるなどタイに続き、カンボジアでも大人気だった。
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そして、試合開始後もタイガーガールと共に遅れてくる観客に対して、笑顔でうちわを配ってくれるなど、チームのために自分達ができることを考えて行動に移していた。やはり彼女はどうすれば観客が喜ぶのかをわかっており、来てくれて本当に心強かった。
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そして、この日もサムライカレーさんが出店してくれて、飲み物やチキンなどを販売。「スタジアムグルメ文化」がないカンボジアで彼らの存在はスタジアムの新しい楽しみ方を知ってもらえる良いきっかけになっている。
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普段なかなか食べることができない変わったメニューを食べられるのもサムライカレーの特徴の一つ。
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また、タイガーFCのユニフォームも販売開始。いつの日か、スタンドがこのオレンジ色のユニフォームを着たサポーターでいっぱいになれたら最高ですよね。
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そして試合開始直前、スタンドは既に過去最高の入り!
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その数は試合開始直後もどんどん増え続け、両サイドを除き、ほぼ満員状態!
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<タイガーFC先発メンバー>
GK22:マイ
DF27:セイハー
DF15:メイサー
DF4:ター
DF5:ビックチャイ
MF6:ヒエン
MF23:ダイ
MF13:ウドン
MF16:スモールチャイ
MF10:ヴィラック
FW9:プライバット
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プライバット以外全員カンボジア人選手で臨んだこの試合だが、開始早々にカンボジア代表のエースFWワタナカに決められてしまう。

その後もボンケットの強力攻撃陣の前に耐え切れず、追加点を奪われてしまい、0-2で折り返す。





そして、ハーフタイムのイベントは公にはタイガーガールがダンスすると告知していたが、実はミュージカル形式の寸劇!




これは、サムライフットボールプロジェクトの一貫で現在、タイガーFCに来ている学生たちが音楽、内容など全てを考え、実行した。

僕たちは寸劇は当初、観客たちが戸惑うのではないかと不安だった。
だが、始まってみれば、みな集中して見てくれて、中には腹を抱えて笑いこけるような人もおり、大盛り上がりだった。
カンボジアでは娯楽が少なく、彼らは日本人よりも笑いのツボが浅いので簡単なコントのようなものでもウケるはずだと推測して実行した今回の寸劇だったが、大成功だった。

特にアドリブで自らのIphoneを犠牲にしてまで水たまりにダイブした加藤オーナーの動きはさすがだった。次回カンボジアにやってきた時もやってもらおう。笑
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そして肝心の試合だが、後半木原選手兼監督を投入し、攻めに攻めたがなかなか得点を奪えず、逆にDFのミスから痛恨の3点目を取られ、ジ・エンド。
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タイガーFCのホーム史上最多の観客が見守る中、行われた試合は首位ボンケットが0-4で勝利。
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前節まで5連勝と勢いに乗って臨んだが、やはりボンケットの壁は厚かった。


選手たちの何人かはうなだれてその場で動けなくなっていた。

彼らの表情を見ても、この試合にかける思いが強かったのがわかった。




そんな彼らを集めて木原選手兼監督が言った。

「今回、負けたという事実は受け入れよう。 だが、自分達の力を出せた場面もあったし、全く歯が立たないというわけではなかった。その部分は自信を持っていいし、またすぐに試合(クラウン戦)があるので、気持ちを切り替えて次に向けて準備していこう」

 

続いて、加藤オーナーが言う。

「人間、価値があるのは負けた時にそこからどう立ち直るか、ここからどう這い上がるか、この敗戦をどう次に繋げるかが重要」 









サッカーはどんな強いチームでもいつかは負ける時がくる。

今回、ボンケットの強さは本物だった。

リーグ戦ではもう彼らと対戦することはないが、プレーオフで対戦する可能性は十分ある。

彼らを倒さないと優勝は見えてこない。

今は彼らとの力の差は認めつつ、次に対戦する時は勝てるよう全力を尽くしたい。



そして、負けた時こそ、強くなれるチャンスだと思う。

監督、オーナーも言っていたとおり、この長いリーグ戦を戦うには気持ちを切り替えることが重要だと思う。

タイガーFCはここから必ず這い上がる。

僕らは信じている。

これからも応援よろしくお願いします。