先日、J2の愛媛FCがファンド会社を利用して面白いことを始めたので紹介したいと思う。
ストライカーファンドとは?


「愛媛FC ストライカーファンド」募集開始のお知らせ [ 愛媛 ](14.03.08)

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攻撃陣を強化してJ1昇格へ!愛媛県外などにもファン層の拡大を狙う。全国のサッカーファンにも参加してほしい、「愛媛FC ストライカーファンド」募集開始。


株式会社愛媛FC(代表取締役社長:亀井 文雄、本社:愛媛県松山市、以下「愛媛FC」)と音楽ファンドや純米酒ファンドを運営するミュージックセキュリティーズ株式会社(代表取締役:小松真実、本社:東京都千代田区、以下「MS社」)は、MS社の提携先である株式会社伊予銀行(頭取:大塚 岩男 本社:愛媛県松山市)の紹介の元、日本初の選手の人件費を資金使途とした、愛媛県外に在住の方でも、出資を通じてどなたでもチーム、選手を応援できる「愛媛FC ストライカーファンド」(1口価格20,000円)の募集を2014年2月28日より開始致しましたのでお知らせいたします。

【J1昇格へ。課題は得点力】
愛媛FCは、2013シーズンでは22チーム中17位ですが、失点数は上位チームに劣らない水準です。規律を保ち組織として機能する守備は固く、失点数だけでみると上位6位以内のチームと同程度の力があります。一方、個の力が大きく影響する得点力は上位チームと比べると課題があり、2013シーズンもプレーオフ出場クラブと比べると10点以上の差があります。今期、昨年AFCで準優勝のソウルFCからストライカーを獲得するなど、オフェンス力の強化を図っております。今期、J2上位、そしてJ1昇格をめざします。そのためのファン層の拡大めざし、ファンドの設立を致しました。

【サポーターと共に地域密着で活動してきた愛媛FC、共にJ1昇格を目指す】
愛媛FCは、健全な経営を維持し続けてきました。2014年度よりJ3リーグが新設され、全国に裾野が広がる一方、J2で上位を目指し、ひいてはJ1昇格を本気で目指していくことが新たな課題となりました。愛媛FCはこれまでも地元のボランティアの方々や多くのサポーターの皆様と共に活動を行ってきました。今回も多くのサポーターの皆様にこのファンドに参加いただき、共に勝利を目指していきたいと考えています。 我が国では、三大都市圏への人口集中が過度に進み、地方ゆかりで、三大都市圏に在住の方々が多数いらっしゃいます。これは他国には見られない現象で、第2、第3のホームタウンとも呼べるものです。 MS社は、本ファンドが、サッカーのみならず、すべてのクラブチームの課題として考えられる、県外に在住の地元出身者や関係者をどう巻き込んでいくかという、新しい顧客層の確保に貢献するものと確信しております。新しい資本市場「セキュリテ」を運営し、農業や林業、漁業、発展途上国のマイクロファイナンス機関を支援するファンドの募集を行ってきたMS社は、今後も、一流の技術と実績、熱意をもたれた事業者の方と、事業を応援したいと考える個人の方をつないで参ります。

【ファンド名】愛媛FC ストライカーファンド
【ファンド総額】最大23,000,000円
【一口価格】21,100円(上限50口)
【営業者名】株式会社愛媛FC
【ファンド資金使途】選手強化費用

【スケジュール】
募集期間:2014年2月28日~
運営期間:2014年シーズン
分配日:2015年12月31日から120日以降随時

【出資者特典】
・出資口数に応じて下記特典を2014シーズン中1回贈呈
1口以上5口未満の方:2014シーズン中1回、Aバック席1名様ご招待
5口以上の方:2014シーズン中1回、SS席またはSA席を1名様ご招待
・試合観戦を行う方は、スタジアムツアーご案内。

【分配】
分配金:ファンクラブ売上、年間シート売上、チケット売上、物品売上の各一部

【リスク】
・元本保証ではありません。
・途中で解約することはできません。
・営業者が支払不能または破産等に陥り事業の存続が困難な事態となる場合があります。
※その他のリスク、ファンド取扱手数料などについては当社ウェブサイトより「ファンド詳細及び匿名組合説明書・契約書等をご確認下さい。

【お申込方法】
ミュージックセキュリティーズ社WEBサイトより申込


以上、愛媛FC公式HPより







愛媛FCのチーム成績やクラブ運営の課題が書かれておりますね。


さらにミュージックセキュリティーズ社WEBサイトには、Jリーグを知らない人にもわかりやすく説明していた。
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でもちょっとなんだがイマイチわからない、わかりにくいという意見が各方面から聞こえてきました(^^;;


ということで今回、これらを参考に愛媛FCの目標と課題、そしてこのファンドをする意味をわかりやすくまとめてみました。



まずは愛媛FCの昨年度の成績を見てみましょう。

■2013年成績■
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12勝11分19敗
19敗中10試合が1点差での敗戦。

J2リーグ 22チーム中17位

得点:43得点(22チーム中18位タイ
失点:52失点(22チーム中10位



チーム内得点ランキング
9点…MF加藤大
5点…MF河原和寿、MF東浩史、FW石井謙伍
3点…DF浦田延尚、MF吉村圭司




成績は大きく負け越してるわけではなく、そこまで悪いわけではないですが、試合数に対して得点、特にFWの得点が少な過ぎるのが目立ちます。

チーム内得点者もほとんどが中盤の選手の得点で愛媛には元々、純粋なFWタイプがいません。

J1昇格争いをするチームには必ずといっていいほど、一発で試合を決めるストライカーがいる。しかも、そのほとんどがブラジル人選手。もちろん、外国人なので通訳もつけるなどしたらそこそこの金額はする。



しかし、今の愛媛FCにはそれを支払える余裕がありません。




ということで出てきたのが今回のこの"ファンド"


ファンド会社は、機関投資家や富裕層から集めた資金を運用する投資のプロ。

例えば、何かお店を始めようと思ったが、それを実行する資金がない。
そこでファンド会社を通じて不特定多数の人や企業などから出資を募り、それを元にお店を出店。
成功すれば、売り上げに応じて投資してくれた人達に分配するという仕組み。


そこでこの"ミュージックセキュリティーズ株式会社"はファンドの会社として、これまで無名ミュージシャンのCD作成や地方の特産品など少額でも出資できる会社として近年、急成長している会社なのです。
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その中でも特に『セキュリテ被災地応援ファンド』は、東日本大震災の被害を受けた被災地の企業の助けになっており、これまで多くのメディアに登場している。
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また、サッカー界では2010年に東京ヴェルディの事業再生のための支援ファンド「ヴェルディドリームス2010」を手がけ、償還率は108%だったようだ。

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今年は愛媛FCの他に2014〜15年シーズンからナショナルバスケットボールリーグの下部リーグ・NBDLに参入する「パスラボ山形ワイヴァンズ」の個人向け投資ファンドを設立し、出資金の募集を始めた。
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こちらの募集金額は500万円ほど。手数料を含め1口1万550円。金額は選手の人件費の一部に充てる予定。


ここに至っては、山形県内で初めてのバスケットチームとあってまだまだ認知度が低いのでチーム設立時のファン獲得が目的と思われる。もし、これで成功すれば資金繰りに頭を悩ます地方のスポーツチームにとって新たなビジネスモデルになるに違いない。




あらためて話を愛媛FCに戻す。

こちらが今回の募集内容だ。
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注意したいのは、分配金は愛媛FCの収益ではなく、あくまでも売り上げに応じて分配されるということ。

売り上げの対象はファンクラブ、年間シート、チケット売上、物品売上。


愛媛FCはアウェイでもグッズ販売を行なっており、昨年は僕も何度か参加させてもらいました。
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それが、チームの売り上げになり、自分にも帰ってくるとなるとさらにやりがい出てきますよね。


ちなみに最低1千万円(500口)に満たないと成立しない模様。





そして、愛媛FCの最終的な目標はやはり、J1昇格
ただ、現状では厳しいので現実的な目標は6位以内に与えられるプレーオフ争いだろう。


どこの国でもだが、地域にしっかりと根づいき、所属するカテゴリー関係なく、愛されるチームになることが、サッカークラブの理想像だ。
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愛媛FCもその可能性は十分にあると思う。


愛媛FCに待望の外国人ストライカーが加入すれば、これまで勝てる試合なのに終盤に追いつかれ引き分け止まりの試合も勝ち切ることができ、1点差で敗れた試合も同点(勝点1)運がよければ勝利(勝点3)できる可能性だって出てくるわけです!!


やはりサッカーは"ゴール"が1番の魅力ですよね。
やはりストライカーの獲得は愛媛FCの今後を占う上で絶対に必要不可欠なピースだと思う。


余談だが、アビスパ福岡や栃木SC、FC岐阜など近年、経営難に陥るチームが多いJ2だが、その中で愛媛FCはかなり堅実なクラブであるということをご存知だろうか。

2012年のJ2の営業収益平均9億円に対し、愛媛FCは5億5千万円。J2平均の約半分の数字だ。観客動員数は22クラブ中20位。1試合の平均観客数は4000人にも満たない。
にもかかわらず、なんと黒字なのだ。

これは一企業としてはかなりの合格ラインといえる。

だが、手持ちの駒は限られているのでそんなに冒険はできない。

もし、このファンドを利用する人が増えれば、試合結果だけでなく、観客動員数やグッズ売り上げ、スポンサー獲得のニュースなどに注目しはじめるだろう。
愛媛FCの利益&活躍自分の利益と直結する。
サッカーファンにとってこんな楽しい"リアルサカつく"はないだろう。


今回の愛媛FCストライカーファンドの募集期限は6月30日。

現時点で愛媛県内のみならず、サポーターまでがこの仕組みを知らない可能性が高いのでまずは、この仕組みを少しでも多くの人に知ってもらうことが重要だといえる。

ワールドカップが近づけば、サッカー界の話題はあちらへ流れてしまうの明白だ。

残された時間は多くない。

愛媛FCの未来のために行動を起こそう。