地鳴りのように湧き起こる歓声
これから国のプライドを背負ってピッチ上で戦う11人に対する溢れんばかりの拍手
この日、プノンペンのオリンピックスタジアムに集まった6万人超の観衆は90分間、彼らの代表チームの勇姿を固唾を呑んで見守った。
昨日、東南アジアNo.1を決める「SUZUKI CUP 2016」が開幕した。
第11回目となる今回は、ミャンマーとフィリピンの共同開催。
タイ、シンガポール、フィリピン、インドネシア、マレーシア、ベトナム、ミャンマーの7ヶ国はグループリーグからの出場が決まっており、残る1枠を今回プノンペンで開催されるこの予選でカンボジア、ラオス、東ティモール、ブルネイが争う。世界やアジアを相手にするとどうしても実力的に劣ってしまう東南アジアの国々にとって、この大会は東南アジア地域の覇権を争う最大のビッグイベントである。
昨年のロシアワールドカップアジア2次予選進出以来、人気・実力ともにメキメキと頭角を現しているカンボジア代表。そんな彼らにとって、現在の実力を試すことができる真剣勝負の大会。僕自身もこの大会を楽しみにしていた。
だが実は、この日の夕方になるまで試合が日曜日開催だと勘違いしており、危うく見損ねるところだった。
試合開始90分前に試合会場に到着。
このオリンピックスタジアムは街の中心部にあり、アクセスはいい。だがその分、スタジアム専用の駐車場に停めたらら最後。出るのも入るのも想像を絶するくらい混雑するので今回は少し離れたところに停めた。(前回出るのに1時間半もかかった)
周辺ではスポンサーのイベントが行われていたのでさらっと紹介する。
こちらは大会冠スポンサーのSUZUKIのバイクが並んでいる。中間層が増えて車所持者が増えたからといっても、やはりまだまだバイク社会。この日、観戦に訪れたたくさんの人が真新しいバイクに興味津々だった。
こちらは近年東南アジアサカーに力を入れ始めているヤンマーの農機具コーナー。近い将来、カンボジアにセレッソも来てほしい。
こちらは大会サプライヤーである「mitre」のグッズコーナー。驚くことにこのポロシャツ、26ドルもしました。これでも値下げしたらしいがもちろん買っている人は皆無だった。
そして、カンボジア代表戦といえば、毎試合新しい応援グッズが売られていることで有名。
昨年は、世界のサッカーファンの間でおなじみのタオルマフラーはじめ、代表チームの愛称アンコールウォーリアーと明記されたクロマーなどが発売されて話題になった。
今回新しいグッズは「カンボジア代表特製メガネ」。価格はなんと6000リエル!日本円で約150円ほどだ。
愛嬌のある販売スタッフたち。以前に発売された日本代表メガネとそっくり。
購入すると無料でタトゥーシールももらえるようだ。
今回は現地人の生の盛り上がりを体験してみたく、バックスタンドで観戦することにした。あまりにも人が多く、席を見つけるのにも一苦労。そして熱気で汗だくだく
日本代表戦では、普段Jリーグを観に行かない層(特に若い女性)の姿を目にするという声をよく聞くが、実はカンボジアでも同じ現象が起きている。
リーグ戦でもここ1年でだいぶ女性の姿が増えてきたが、それでも1~2割程度。まだまだ「サッカーは男性が観るスポーツ」という意識が高い。だが、代表戦になると、観客のなんと4~5割が女性なのだ。
彼女たちは席につくとまず、つっぱり棒で自撮りし、FacebookやInstagramに投稿。
この日スタンドを観察したが、観客を以下の3つに分けてみた。
①試合を真剣に見る派…男性
②仲間と飲み食い楽しむレジャー派…女性、カップル、家族連れ
③何がなんだかわからんくて踊り狂う派…男性
スタジアムにくる目的はそれぞれ違うが、共通して求めているのはきっと「一体感」なのだろう。国民の平均年齢が24歳と若く、経済も上り調子なことから余暇を楽しむ一つのツールとしてサッカー観戦が根づき始めているのを再確認できた。
なお、肝心の試合だが、初戦の硬さからなのか、両チームともに慎重な戦いっぷりをみせてくれ、見ている僕らサッカーファンにとっては退屈な試合内容だった。
そしてこれは反省なのだが、僕はこの試合に辿り着く前までにカンボジア代表に対してあまりにいいイメージを作りすぎていた。
たしかに対戦しているラオス代表は今予選最大のライバルで、過去の対戦ではほぼ互角であるし、ここで負けたら至上命題だった予選突破は絶望的となる。
だが、今のカンボジア国内での代表戦の盛り上がりを考えると、「ホームなんだから軽く3,4点取って、快勝してくれるだろう」と勝手に思い込んでいた。
だがこれが現実。カンボジア代表は僕の勝手な期待とは裏腹に苦戦を強いられた。
後半ラスト10分で決勝点が入り、苦しみながらも2-1で勝利。
予選突破に前進したものの、面白みに欠けた内容だった。
先日行われた香港戦(●0-2)やスリランカ戦(○4-0)でもそうだったが、長い時間、自分たちが主導権を持ち続けるのは厳しい。
カンボジア代表エースFW・ワタナカも後半10分から出場したが、出来はあまり良くなかった。
11月のグループリーグに進んだら全てが格上との対戦になるので、彼がいかに少ないチャンスを生かし、決められるかがカギとなるだろう。
次は18日のブルネイ戦。
初戦で東ティモールに2-1と勝利し、波に乗っている相手に対し、勝利できるか。
また、ブルネイにはレスター所属の18歳の選手もいるようなので楽しみである。
これから国のプライドを背負ってピッチ上で戦う11人に対する溢れんばかりの拍手
この日、プノンペンのオリンピックスタジアムに集まった6万人超の観衆は90分間、彼らの代表チームの勇姿を固唾を呑んで見守った。
昨日、東南アジアNo.1を決める「SUZUKI CUP 2016」が開幕した。
第11回目となる今回は、ミャンマーとフィリピンの共同開催。
タイ、シンガポール、フィリピン、インドネシア、マレーシア、ベトナム、ミャンマーの7ヶ国はグループリーグからの出場が決まっており、残る1枠を今回プノンペンで開催されるこの予選でカンボジア、ラオス、東ティモール、ブルネイが争う。世界やアジアを相手にするとどうしても実力的に劣ってしまう東南アジアの国々にとって、この大会は東南アジア地域の覇権を争う最大のビッグイベントである。
昨年のロシアワールドカップアジア2次予選進出以来、人気・実力ともにメキメキと頭角を現しているカンボジア代表。そんな彼らにとって、現在の実力を試すことができる真剣勝負の大会。僕自身もこの大会を楽しみにしていた。
だが実は、この日の夕方になるまで試合が日曜日開催だと勘違いしており、危うく見損ねるところだった。
試合開始90分前に試合会場に到着。
このオリンピックスタジアムは街の中心部にあり、アクセスはいい。だがその分、スタジアム専用の駐車場に停めたらら最後。出るのも入るのも想像を絶するくらい混雑するので今回は少し離れたところに停めた。(前回出るのに1時間半もかかった)
周辺ではスポンサーのイベントが行われていたのでさらっと紹介する。
こちらは大会冠スポンサーのSUZUKIのバイクが並んでいる。中間層が増えて車所持者が増えたからといっても、やはりまだまだバイク社会。この日、観戦に訪れたたくさんの人が真新しいバイクに興味津々だった。
こちらは近年東南アジアサカーに力を入れ始めているヤンマーの農機具コーナー。近い将来、カンボジアにセレッソも来てほしい。
こちらは大会サプライヤーである「mitre」のグッズコーナー。驚くことにこのポロシャツ、26ドルもしました。これでも値下げしたらしいがもちろん買っている人は皆無だった。
そして、カンボジア代表戦といえば、毎試合新しい応援グッズが売られていることで有名。
昨年は、世界のサッカーファンの間でおなじみのタオルマフラーはじめ、代表チームの愛称アンコールウォーリアーと明記されたクロマーなどが発売されて話題になった。
今回新しいグッズは「カンボジア代表特製メガネ」。価格はなんと6000リエル!日本円で約150円ほどだ。
愛嬌のある販売スタッフたち。以前に発売された日本代表メガネとそっくり。
購入すると無料でタトゥーシールももらえるようだ。
今回は現地人の生の盛り上がりを体験してみたく、バックスタンドで観戦することにした。あまりにも人が多く、席を見つけるのにも一苦労。そして熱気で汗だくだく
日本代表戦では、普段Jリーグを観に行かない層(特に若い女性)の姿を目にするという声をよく聞くが、実はカンボジアでも同じ現象が起きている。
リーグ戦でもここ1年でだいぶ女性の姿が増えてきたが、それでも1~2割程度。まだまだ「サッカーは男性が観るスポーツ」という意識が高い。だが、代表戦になると、観客のなんと4~5割が女性なのだ。
彼女たちは席につくとまず、つっぱり棒で自撮りし、FacebookやInstagramに投稿。
この日スタンドを観察したが、観客を以下の3つに分けてみた。
①試合を真剣に見る派…男性
②仲間と飲み食い楽しむレジャー派…女性、カップル、家族連れ
③何がなんだかわからんくて踊り狂う派…男性
スタジアムにくる目的はそれぞれ違うが、共通して求めているのはきっと「一体感」なのだろう。国民の平均年齢が24歳と若く、経済も上り調子なことから余暇を楽しむ一つのツールとしてサッカー観戦が根づき始めているのを再確認できた。
なお、肝心の試合だが、初戦の硬さからなのか、両チームともに慎重な戦いっぷりをみせてくれ、見ている僕らサッカーファンにとっては退屈な試合内容だった。
そしてこれは反省なのだが、僕はこの試合に辿り着く前までにカンボジア代表に対してあまりにいいイメージを作りすぎていた。
たしかに対戦しているラオス代表は今予選最大のライバルで、過去の対戦ではほぼ互角であるし、ここで負けたら至上命題だった予選突破は絶望的となる。
だが、今のカンボジア国内での代表戦の盛り上がりを考えると、「ホームなんだから軽く3,4点取って、快勝してくれるだろう」と勝手に思い込んでいた。
だがこれが現実。カンボジア代表は僕の勝手な期待とは裏腹に苦戦を強いられた。
後半ラスト10分で決勝点が入り、苦しみながらも2-1で勝利。
予選突破に前進したものの、面白みに欠けた内容だった。
先日行われた香港戦(●0-2)やスリランカ戦(○4-0)でもそうだったが、長い時間、自分たちが主導権を持ち続けるのは厳しい。
カンボジア代表エースFW・ワタナカも後半10分から出場したが、出来はあまり良くなかった。
11月のグループリーグに進んだら全てが格上との対戦になるので、彼がいかに少ないチャンスを生かし、決められるかがカギとなるだろう。
次は18日のブルネイ戦。
初戦で東ティモールに2-1と勝利し、波に乗っている相手に対し、勝利できるか。
また、ブルネイにはレスター所属の18歳の選手もいるようなので楽しみである。
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