「昨年、共に戦った選手達は今どうしているのだろう」



サッカーから離れてからまだ少ししか経っていないが、ふとした瞬間にそう思うことがある。


そんな中、今日嬉しいニュースが舞い込んできた。




昨年までチームメイトだった定國智之選手(通称:サダ)がラオスプレミアリーグのオールスターチームに選ばれ、明日タイ王者でACLにも出場するあのムアントン・ユナイテッドとの親善試合に出場するという。
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この試合はムアントンはアセアンツアーの一環。

ムアントンといえば、元U-23日本代表だった青山直晃選手も所属しているいわゆるタイの超有名クラブ。
もちろん、今季からコンサドーレ札幌に入団が決まったタイ代表チャナティップもいる。

先日行われたタイのスーパーカップでもスコータイFC相手に5-0で完勝。
まだ国内リーグは開幕していないが、バンコク在住の某ライターさんも今季のムアントンの強さは太鼓判を押している。



そんな東南アジア最強のクラブを相手に、ついこの前までうちに泊まっていたり、バンコクで元旦から一緒に買い物していた彼が出場するのだという。

※写真:バンコクのウィークエンドマーケット

人生何が起こるかわからないものだ。。。



ちなみに定國選手の紹介をすると、出身は大阪で大学時代は関西大学リーグ1部の桃山学院大学サッカー部に所属。
くしくも3年前にラトビアで出会った岡田翔太郎くん(当時スコント・リガFC)と大学時代の同級生だった。※当時のラトビアでの様子はこちら

岡田くんはスタメンだったが、定國選手は残念ながらトップチームには出れなかった。
だが、夢を諦めきれなかった彼は卒業後、お金を貯めて南米パラグアイへ。

パラグアイ2部のリバー・プレートなどに所属。
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その後はアジアに渡り、タイ3部→カンボジアの2クラブを渡り歩き、昨年のリーグ開幕直前に滑り込みでカンボジアンタイガーFCに入団。(開幕戦もキックオフ2時間くらいまで出場できるか不明だった)
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入団後は、本来のFWから右サイドバックにコンバートされてから才能が開花。

持ち味のスタミナとスピードを活かしたプレーでチームに貢献。(チーム内アシスト王)

また、プレー意外にも様々な面でチームにいい影響?を与えてくれた。



例えば、盛り上げるために奇抜な髪型をしたり
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クラブの応援番組に出てくれたり
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昨年の最終戦ではメンバー外になったにもかかわらず、一人で応援歌を作り、歌詞カードを配り、チームを鼓舞し続けた。(クラブスタッフに間違えられた。笑)
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そして、今月1月にラオスプレミアリーグ2位のラオトヨタFCに入団。
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苦しさや喜びを共に分かち合った選手が飛躍するのは本当に嬉しい。

彼は誰よりもまわりのことを考え、自分が辛い時でも盛り上げ、人の気持ちを感じることができる。

過去に苦しい思いをして、それをバネに乗り越えてここまでやってきた。


今回、これまで対戦できなかったムアントンという異次元の敵を相手に試合ができるのは今後の彼の人生にとっても素晴らしい経験になるし、何よりも本当に嬉しいはず。

明日は目一杯楽しんでほしい。







そして、もう一つ嬉しいことが。

国は違えど、上位クラブに入団したことでAFCカップという国際大会のプレーオフ出場の権利を手にした。※欧州のヨーロッパリーグのようなアジアではACLに次ぐ2番目の大会
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AFCカップのプレーオフはホーム&アウェイで1月31日、2月7日に行われる。

既に組み合わせも決まっており、ラオトヨタはカンボジアリーグ2016優勝のボンケット・アンコールFCと対戦予定だ。

そう、ボンケットにも元チームメイトだったFW村松知輝選手(元カターレ富山)がいる。

昨季15得点と大爆発した彼は11月にボンケットに入団。

背番号10番を背負い、ベトナムで行われた国際大会やトヨタメコンクラブチャンピオンシップ2016に出場するなど既にチーム内の信頼は得ている。
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エースFWワタナカがJ3藤枝MYFCに移籍したので彼にかかる期待は大きいはずだ。
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夢にまで見ていた元チームメイト達同士の対戦が早くも実現。
それも国際舞台だというから本当に信じられない。


昨年のアウェイ・スヴァイリエン戦で1-6と完敗した夜、やけ酒飲みたいのを抑えてコーラとスプライトを飲みながら3人で夜中まで反省会をした。

サッカーに対しては、本当に真面目でどうすればチームが勝てるようになるかを語り、二人とも「監督を男にしたい」と口を揃えて言っていたのを鮮明に今でも覚えている。



あの1年後、まさかこんな舞台で再会するシナリオになるとは、当時は思ってもなかっただろう。

31日の第1戦はプノンペンのオリンピックスタジアムで行われる予定なので、これまで僕達のことを応援してくれた友人を誘って、二人の勇姿を観に行きたいと思う。

勝敗にかかわらず、彼らの持ち味を発揮してほしい。

そして、最初で最後になるかもしれない彼らの真剣勝負をこの目に焼き付けときたい。