昨日、カンボジア・プノンペンでAFC U-23選手権予選が開幕した。
今予選で日本代表は、中国、フィリピン、そして今回の開催国・カンボジアと同組。
グループ1位が来年行われる本大会への自動出場権獲得、2位も10組中上位5位までが出場権獲得。中国は来年の開催国のため既に出場権獲得しており、日本の予選突破はほぼ間違いないだろう。また、今予選のカテゴリーは一応U-23だが日本代表は2020年の東京オリンピックを見据えて、5月のU-20W杯に出場した世代で臨んでいるようだ。
昨日2試合観た結果、伝えたいことはたくさん出てきたが、とりあえず3つに分けてまとめてみた。
①第1試合 日本vsフィリピン
②第2試合 カンボジアvs中国
③明日のカンボジアvs日本戦の展望
①まず、第1試合の日本vsフィリピン戦を振り返ってみる。
天候
この試合はあいにくの雨。プノンペンは先週までほとんど雨が降らなく、降ったとしても1,2時間程度でやんでいた。この日はプノンペンに雨男が来たのかのごとく、珍しく昼過ぎから夜中までずっと振り続けていた。
フィリピン戦のメンバー
カンボジアに来て2年、フル代表以外ほとんど見る機会がないので正直わからなかったが、日本から来たこの世代に詳しい友人の話を聞きながらの観戦となった。
観客
あとで公式記録で確認したがこの試合の観客数は321人。(うち、日本人サポーターは10人程度)この国で平日午後3時半キックオフの試合はまず人がいない。たしかに交通事情等めちゃくちゃな部分が多い国だが、ルールがあれば基本しっかり守ろうという気持ちは一応ある国民性なので「学校や仕事を休んでまで観にいく」という概念がない。たとえ、世界のスーパースターが来たとしてもそんなに入らないだろう。
結果
結果は予想通り、8-0で日本が圧勝。写真はフィリピン代表選手達。試合前に両チームのベンチ同士が挨拶をしていたのが印象的だった。
②第2試合 カンボジアvs中国
第1試合終了から第2試合キックオフまで約1時間。第2試合はカンボジアvs中国という日本のサッカー好きからしたら特に面白みのない対戦カードということもあり、まわりの日本人の友人達はスタジアムを後にした。代わりにたくさんのカンボジア人が来ると予想していたが、スタジアムに集まってきたのは赤いTシャツを着た中国人サポーター達。カンボジアはほぼ中国の属国のような国でプノンペンの人口のおよそ、5分の1以上が中国人もしくは中華系カンボジア人と言われている。ぱっとみたところ、ゆうに1000人は超えている。ここまで大人数のアウェイサポーターがやってきたのは2015年に行なわれたロシアW杯アジア2次予選日本代表戦以来で、気づいた時には中国人達に囲まれていた。だが、アウェイ好きの僕にとってこの状況は久しぶりの嬉しい感覚。胸が高鳴った。(危ないことは一切なく、皆親切だった)
試合前にスタンドがちょっとした騒ぎになったので何事かと思ったが、どうやら中国フル代表のリッピ監督が来ていたらしい。「W杯優勝監督がカンボジアに来た」という事実にちょっと興奮。中国の選手達がやる気になってカンボジアを大量得点でボコると思っていたが、蓋を開けてみたらまさかの0-0で引き分け。これには正直、驚いた。
カンボジアは1970年代の内戦前、アジアカップで4位になるなど様々な国際大会に出場しており、そこそこ強かった。だが内戦が終結した1990年代、国際舞台に復帰してから20年以上、どの年代も同レベルの相手には勝てるが、格上が相手となると途端にひるんでしまい、大量失点で敗戦することが多く、ジャイアントキリングなどとは無縁だった。
僕もカンボジアに来てからよく各年代の代表戦を観るが、毎回惜しいところまでいくものの、途中で集中力が切れてしまい、結局失点して負けてしまうという場面を何度も見てきた。
それだけにこの試合もどうせいつか失点するのだろうという不安が常にまとわりつきながらの観戦だったが、選手達は最後まで諦めずに守りきった。
試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、なんにも代えがたい感動が体中に走った。
カンボジアに来て1番印象に残る試合となった。
カンボジアには日本のように素晴らしい産業を造るような技術はない。
だが、スポーツや芸術に対しては国をあげて力を入れる傾向にあり、近年国際舞台で結果を残しつつあって、結果出せばそれなりの報奨金が保証されるので選手達もモチベーションが高まる。
昨日も試合後、サッカー協会の会長が選手達を集めて何か話をしていた。もしかしたら何かご褒美があるのかもしれない。
③そして明日、いよいよカンボジアvs日本が行われる。
今日、「3万人が詰めかける完全アウェイが予想される」という日本の報道を見かけた。
たしかに昨日の中国戦の引き分けによって、国民の期待度が上がったのは確実。
3万人どころか、5万人だって来る可能性は十分ある。
事実、昨年プノンペンで行なわれたU-16東南アジア選手権では、カンボジア代表が史上初の準決勝進出を果たし、5万人近い観客が集まった。
他の国では考えられないことだが、カンボジアはアンダー世代でも関係なく、代表戦となればとにかく人が入る入るのだ。
その理由はいくつかあるが、1番は「一体感」だと思う。
元々、カラオケが好きだったり、お祭り好きな国民性もあって、伝統的に行われているボートレースなど一大イベントの際には異様な盛り上がりを見せる。
たしかにこの一体感は厄介だと思う。
だが、南米のような殺気立った「どアウェイ」とはほど遠いのも事実。
観客のほとんどはサッカー通ではない。
フェアプレーの時に拍手等はあまり起こらず、逆にアクロバットなプレーや乱闘で盛り上がることが多い。
実力的には日本のほうがはるかに上だし、序盤に複数得点取れれば大量得点の可能性は高い。
また、雨が降ったら昨日の試合(7326人)のようにほとんど人が集まらない可能性も十分ある。
個人的には雨が降らずに超満員のスタジアムで日本代表を迎え撃つことができたら最高だ。
潜在的には日本代表を応援するが、来月SEA GAMES(東南アジア版オリンピック)の取材も行くのでカンボジア代表も捨てがたい。。
どっちを応援するか最後まで悩んでみるとしよう
今予選で日本代表は、中国、フィリピン、そして今回の開催国・カンボジアと同組。
グループ1位が来年行われる本大会への自動出場権獲得、2位も10組中上位5位までが出場権獲得。中国は来年の開催国のため既に出場権獲得しており、日本の予選突破はほぼ間違いないだろう。また、今予選のカテゴリーは一応U-23だが日本代表は2020年の東京オリンピックを見据えて、5月のU-20W杯に出場した世代で臨んでいるようだ。
昨日2試合観た結果、伝えたいことはたくさん出てきたが、とりあえず3つに分けてまとめてみた。
①第1試合 日本vsフィリピン
②第2試合 カンボジアvs中国
③明日のカンボジアvs日本戦の展望
①まず、第1試合の日本vsフィリピン戦を振り返ってみる。
天候
この試合はあいにくの雨。プノンペンは先週までほとんど雨が降らなく、降ったとしても1,2時間程度でやんでいた。この日はプノンペンに雨男が来たのかのごとく、珍しく昼過ぎから夜中までずっと振り続けていた。
フィリピン戦のメンバー
カンボジアに来て2年、フル代表以外ほとんど見る機会がないので正直わからなかったが、日本から来たこの世代に詳しい友人の話を聞きながらの観戦となった。
観客
あとで公式記録で確認したがこの試合の観客数は321人。(うち、日本人サポーターは10人程度)この国で平日午後3時半キックオフの試合はまず人がいない。たしかに交通事情等めちゃくちゃな部分が多い国だが、ルールがあれば基本しっかり守ろうという気持ちは一応ある国民性なので「学校や仕事を休んでまで観にいく」という概念がない。たとえ、世界のスーパースターが来たとしてもそんなに入らないだろう。
結果
結果は予想通り、8-0で日本が圧勝。写真はフィリピン代表選手達。試合前に両チームのベンチ同士が挨拶をしていたのが印象的だった。
②第2試合 カンボジアvs中国
第1試合終了から第2試合キックオフまで約1時間。第2試合はカンボジアvs中国という日本のサッカー好きからしたら特に面白みのない対戦カードということもあり、まわりの日本人の友人達はスタジアムを後にした。代わりにたくさんのカンボジア人が来ると予想していたが、スタジアムに集まってきたのは赤いTシャツを着た中国人サポーター達。カンボジアはほぼ中国の属国のような国でプノンペンの人口のおよそ、5分の1以上が中国人もしくは中華系カンボジア人と言われている。ぱっとみたところ、ゆうに1000人は超えている。ここまで大人数のアウェイサポーターがやってきたのは2015年に行なわれたロシアW杯アジア2次予選日本代表戦以来で、気づいた時には中国人達に囲まれていた。だが、アウェイ好きの僕にとってこの状況は久しぶりの嬉しい感覚。胸が高鳴った。(危ないことは一切なく、皆親切だった)
試合前にスタンドがちょっとした騒ぎになったので何事かと思ったが、どうやら中国フル代表のリッピ監督が来ていたらしい。「W杯優勝監督がカンボジアに来た」という事実にちょっと興奮。中国の選手達がやる気になってカンボジアを大量得点でボコると思っていたが、蓋を開けてみたらまさかの0-0で引き分け。これには正直、驚いた。
カンボジアは1970年代の内戦前、アジアカップで4位になるなど様々な国際大会に出場しており、そこそこ強かった。だが内戦が終結した1990年代、国際舞台に復帰してから20年以上、どの年代も同レベルの相手には勝てるが、格上が相手となると途端にひるんでしまい、大量失点で敗戦することが多く、ジャイアントキリングなどとは無縁だった。
僕もカンボジアに来てからよく各年代の代表戦を観るが、毎回惜しいところまでいくものの、途中で集中力が切れてしまい、結局失点して負けてしまうという場面を何度も見てきた。
それだけにこの試合もどうせいつか失点するのだろうという不安が常にまとわりつきながらの観戦だったが、選手達は最後まで諦めずに守りきった。
試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、なんにも代えがたい感動が体中に走った。
カンボジアに来て1番印象に残る試合となった。
カンボジアには日本のように素晴らしい産業を造るような技術はない。
だが、スポーツや芸術に対しては国をあげて力を入れる傾向にあり、近年国際舞台で結果を残しつつあって、結果出せばそれなりの報奨金が保証されるので選手達もモチベーションが高まる。
昨日も試合後、サッカー協会の会長が選手達を集めて何か話をしていた。もしかしたら何かご褒美があるのかもしれない。
③そして明日、いよいよカンボジアvs日本が行われる。
今日、「3万人が詰めかける完全アウェイが予想される」という日本の報道を見かけた。
たしかに昨日の中国戦の引き分けによって、国民の期待度が上がったのは確実。
3万人どころか、5万人だって来る可能性は十分ある。
事実、昨年プノンペンで行なわれたU-16東南アジア選手権では、カンボジア代表が史上初の準決勝進出を果たし、5万人近い観客が集まった。
他の国では考えられないことだが、カンボジアはアンダー世代でも関係なく、代表戦となればとにかく人が入る入るのだ。
その理由はいくつかあるが、1番は「一体感」だと思う。
元々、カラオケが好きだったり、お祭り好きな国民性もあって、伝統的に行われているボートレースなど一大イベントの際には異様な盛り上がりを見せる。
たしかにこの一体感は厄介だと思う。
だが、南米のような殺気立った「どアウェイ」とはほど遠いのも事実。
観客のほとんどはサッカー通ではない。
フェアプレーの時に拍手等はあまり起こらず、逆にアクロバットなプレーや乱闘で盛り上がることが多い。
実力的には日本のほうがはるかに上だし、序盤に複数得点取れれば大量得点の可能性は高い。
また、雨が降ったら昨日の試合(7326人)のようにほとんど人が集まらない可能性も十分ある。
個人的には雨が降らずに超満員のスタジアムで日本代表を迎え撃つことができたら最高だ。
潜在的には日本代表を応援するが、来月SEA GAMES(東南アジア版オリンピック)の取材も行くのでカンボジア代表も捨てがたい。。
どっちを応援するか最後まで悩んでみるとしよう
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